むち打ちには、事故によって筋肉や靱帯を損傷した頸椎捻挫型のほか、神経まで損傷した神経根症型や脊髄症型などがあります。神経根損傷では片手にしか症状があらわれませんが、脊髄損傷では両手に症状があらわれます。
症状が神経学的検査所見や画像所見などの他覚的所見によって医学的に証明できる場合は12級が認定されます。これに対し、受傷時の状態や治療の経過などから連続性・一貫性が認められ、医学的に説明できる場合は14級が認定されます。
受傷機転とは、外傷を負うに至った原因や経緯のことです。車が大破するような事故であれば後遺障害が認定される可能性も高くなるのに対し、修理費が20万円を下回るような事故であれば後遺障害が認定される可能性は低くなります。
後遺障害が認定されるには、週2、3回ほどの通院が必要となります。ただし、重視されるのは病院への通院であって、接骨院や整骨院への通院はほとんど考慮されません。
また、後遺障害が認定されるのは、常時の症状に限られます。そのため、雨の日や寒い日などに症状が強くなる場合、それが一時的なものにすぎないと誤解されないよう注意して説明する必要があります。
神経学的検査は、頸椎であればジャクソンテストやスパーリングテスト、腰椎であればSLRテスト(L4〜S3)やFNSテスト(L2〜L4)などがあります。例えば、C5/6の椎間板にヘルニアが生じた場合、C6の神経根が圧迫され、親指に症状があらわれます。同じように、C7であれば中指、L5であれば足の甲、S1であれば足の裏に症状があらわれます。
また、それぞれの神経根には支配している筋肉があるため、C6であれば腕橈骨筋反射、C7であれば上腕三頭筋反射、S1であればアキレス腱反射が低下します。これに対し、脊髄に障害がある場合は腱反射が亢進します。他覚的所見が認められるには、このような神経学的検査所見と合致する画像所見が必要となります。急性期の外傷性ヘルニアは、加齢によるものと異なり、MRIのT2強調画像で白く写る特徴があるため、なるべく早い段階で撮影しておくことが重要です。
13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
9号:局部に神経症状を残すもの